つきがわログ(仮)

ブログタイトルはずっと仮名。雑多な話題(プラモデル・鉄道・ゲーム他)を書いていくかと思いますが、よろしくお願いします。

あれから10年経った件について~500系の話~

どうも、ブログを書くほどのネタがまとまらなかったので開設したのに2ヶ月も放置してました、ごめんなさい

 

さて、今回は主題の通り、500系東海道新幹線から撤退した頃の話です

まぁ要は思い出話です

 

2023年7月追記:久々にアクセス数管理を見てたらなぜか閲覧がじわ伸びしていたので…当記事ブログ記事は公開当時の軽いノリとある程度の知識で作ったので、実際当時の事を感想ついでに振り返った記事になります。そのためあくまで記事内の情報の不正確さが存在すること、一個人の意見や感想である事をご了承ください、

 

ではまず、500系について

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もはや説明不要の(恐らく)日本一有名な新幹線。(個人経験則に基づく)

日本初の世界最速・時速300㎞での運転*1

日本鉄道界において、というより世界的に見ても空前絶後の戦闘機のような独特のフォルム*2

当時は白ベースの塗装がほぼ大半だった*3新幹線の中で、青と黒をベースとした塗装

そして、登場から「のぞみ」として最速達運用につき、当初は新大阪~博多間を、少ししてから東京~博多間の運用につき、東京~博多間を最速4時間49分で結ぶ瞬足ぶり

そのインパクトの強さゆえに、鉄道に全く疎い人でも0系についで、世代によっては0系以上に知名度があると思われる新幹線です(※個人の感想です)

 

私自身、500系には非常に強い思い入れがありまして

一度見たら忘れられないこのフォルム

時速300㎞という、当時世界一の速さを誇る新幹線という肩書き

日本1速い、のぞみ運用限定の存在という存在感

 

そして何より、こいつとは同年の生まれ、つまり同級生*4という特別感

その全てが輝かしく見えたものです。特に、同級生であるというのは何より大きかったですね

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なんせ「同い年に世界一のみんなが知ってる憧れのスーパースターがいる」のですから。 

  • 問題点

さて、その特別なスーパースターのような500系ではありますが、現実はその華々しい活躍とは裏腹に、登場時から問題が少なからず存在していた形式でもあります。

まず、登場時は300系と比較して多額の製造費用が掛かりわずか9編成で製造を打ち切られてしまったこと*5

空力を考えてデザインされた美麗な車体は、その円形状の形が災いし、室内空間が狭くなってしまったがために、乗客に圧迫感を与えてしまった事*6

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実際の車内 ちなみにこの車両は元グリーン車

そして、あの長いノーズの影響で先頭車両の扉・座席を減らさざるを得ず乗降や座席割り当てに影響を及ぼしてしまった事*7

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歴代新幹線たちと500系の先頭車(0系は故意的なチョイスです) 見比べてもらうとわかるが、500系だけ乗務員扉後ろの扉がない

何より、時速300㎞運転が出来るのは山陽新幹線*8だけであり、カーブが多く加減速が多く必要な東海道新幹線では他の新幹線たち(300系・700系)と変わらず時速270㎞での運行となり、東海道新幹線内に限れば所要時間が大きな差がない事など

様々な独自の要素と編成数の少なさが重なり、それが足枷となり運用を固定化せざるを得ず、何か不具合があった時は代車を立てるのに一苦労するなど「唯一無二の存在」という点が足を引っ張ってしまう状態になってしまっていたのでした

 

そうであっても時速300㎞運転ができるのは500系だけであったので、引き続き速達型のぞみ運用についていたのですが、それ以上の運行は増えることはなく、固定運用のみの運行となっていました

そんな中、2007年に時速300km運転が出来て、なおかつ東海道新幹線内でも車体傾斜装置*9のおかげでカーブでも速度を落とさず走れて、加えて加速速度が通勤車両並みと、従来のどの新幹線よりも速く、なおかつ300系・700系と車内の仕様が変わらないN700系が登場したことにより、立場が一変。

何もかもが異端で、他とは融通が利かず利点であった時速300㎞運転も替えが効いてしまうようになり固定運用でしか運用出来ない500系はこの時点で半ば不要も同然であり、その特異性が仇となり運行上、”扱いづらい存在”になっていたのです(飛行機で例えるとするならばコンコルドを想像してもらえればわかるかと思います)

  • 短編成化

そんな東海道新幹線での運行上の問題が発生していた一方で、山陽新幹線でもある問題が。それは「こだま用の0系・100系の置き換えの編成が足りない」という事でした

当時でも0系は20年以上、一番若い100系でも15年以上となり経年劣化も見えてきた頃であり、また性能の差による運用の問題もあり、置き換える車両を仕立て上げることが課題となっていたのです

そんな中で、N700系により時速300㎞担当の役割をほぼ失っている一方で、300㎞運転を実現するために”全電動車”であり改造後の編成数も車両構成もそして改造後のスペックも「問題なかった」500系は、0系達を置き換えてこだまのサービス向上を図るために、短編成化改造を受けることになります

それが現在も活躍中のこだま用500系、V編成です

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V編成の詳細は、今回は省かせていただきます

そんなこんなで、2007年より500系は随時のぞみ運用を外れていき、車両改造を受け、山陽新幹線のこだま運用についていくようになるのです

 

私も、当時は衝撃的な出来事だったと覚えています。

 何せ500系はそのフォルムなどから「最速の”のぞみ号”」としてのイメージが鮮烈に焼き付いており、そんな500系が、ひかり運用などをすっ飛ばしていきなり地方運用ののんびりした“山陽こだま運用”に就く*10、そのあまりにもギャップの強い転用劇、そして当時はまだ、のぞみとしての運行開始から10年近くしか経ってない事*11、なにより最速の”300㎞ののぞみ”、というイメージがあまりにも“ふさわしかった”500系の山陽こだまへの転用というのは、それこそ“スーパースターが理由もはっきりせずに地方へと追いやられている”ような、それはもう、改めて筆舌に尽くしがたい衝撃でした。

特に当時500系新幹線の改造レポートが掲載されていた鉄道ファンを読んだ時は…もう…

 

話はそれますが、当時はそのあまりにもイメージが急変するような事態と、当時から様々な車種が存在していた自社路線の車両を、新型車両313系(N700系)で一斉に置き換えていくこともあった事や、車種の統一性を好む(と思われている)JR東海の姿勢から、「500系を嫌ったJR東海の要請ではないのか(要約)」という噂も立ち、当時から一部鉄道好きにあまり好まれていなかったJR東海の姿勢から、この噂は中々根強く、現在でもわずかに信じている人もいるほど。

(実際には、車種統一はメンテナンスコストを抑えることが出来る他、万が一の故障時には早急に仕様が変わらない代車を用意することが可能になり、運行上の支障を最小限に抑えることが出来たり、車種の統一化で想定スペックをその車種に統一することで、総合的にスピードアップが可能になる*12など“運行上のメリットが圧倒的に高い”ので利用者に対するサービス改善として、かなり有効だったりします)

 私がそんな衝撃を受けている一方で、現実では500系は随時、最速達の”のぞみ”運用から外れていき、2009年にも入ると一日数本、末期は1日1往復だけになっていき、着々とN700系とのバトンタッチが進んでいったのでした。

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その最末期の頃の写真 ちなみに静岡県に止まるようなダイヤは一度もなかった

そして2010年の2月28日 500系東海道新幹線の運用、およびのぞみの運用から撤退することになるのです。

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当日の東京駅での写真 滅茶苦茶人がいたため、撮影できたのはほんの僅かだった

忘れもしません、当日は諸事情で東京に行っていたため、東京駅で雨が降る中、必死に先頭車両の画像を撮影したこと、「有楽町に行った方がよかったかな」とかちょっと後悔したこと、そして、颯爽と過ぎ去っていったW1編成の事

今となっては良い思い出です

そしてそれから10年が経ちました。正直今この言葉を書いていても不思議なくらいです。

10年経ったように思えません。

500系はW1編成を除くすべての編成がV編成化し、現在に至るまでほぼ全編成が活躍を続けています*13

W1編成は、先ほどの最終走行以降、しばらく保管の後中間車は廃止され、先頭車はともに1号車は京都鉄道博物館に、16号車は生まれ故郷の日立製作所笠戸事業所*14にそれぞれの場所に保存されるようになりました。

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一方で、現役の500系V編成は山陽新幹線のこだま運用のためか、輸送力を求められる事が減った一方で、乗客増加のために様々な改造が施されるようになりました。
8号車に子供向けの簡易運転台を設置したり

指定席用車両の座席をレールスターと同じシートに変更して2+2を増やしたり…

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指定席車両の改造と簡易運転台の設置場所(なぜかしっかり撮影してませんでした)

そんな500系一族の中に、ひときわ大規模な改造を受けた編成が居ます

500系V2編成」

…これだけでは何の車両か、ピンとこない人が大半だと思います。では、名称を改めて

「500 TYPE EVA」またはハローキティ新幹線500系

そうです、あのド派手な塗装をし、先頭車両にまるまる特別スペースを設けたあの車両です。ベース車両、一緒なんですよあれ。

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プラレールカー・TYPE EVA・ハローキティとド派手な改造を施されてきたV2編成

ちなみにあの車両、元をただすと2014年ごろにプラレールを車内で走らせるプラレールカーとして改造されたのが始まりだったりします。そのころから新幹線の中でも最古参に近い存在だったので(たぶんこの改造が施されたって事は…引退近いんだろうなぁ…)とか常々思っていたのですが、まさかここまで長生きするとは…w

そんなこんなで現在も多くが生き残る500系ですが、流石に運行開始から22年近くたち、車歴的にそろそろ置き換えが起きてもおかしくない世代にもなってきました。

…が、一方でその特殊な立ち位置ゆえに、置き換えることが容易ではためなのか、現在まで置き換えの具体的な話すら出てきてない状況が続いています。

一つ後ろの世代である700系は、改造して500系の置き換えに使用したところで時期的に近い事もあり、あまりメリットがないためか今現在も運行終了後16両編成はそのまま廃車となっています。

次に来るとすると、N700系ですが、こちらの場合九州新幹線がらみでの置き換えが起きれば…何かしら動きはあるかもですが、現在はそのようなそぶりが無い為、特にあと数年間は大きな動きはないと思われます。…が、先述の通り、登場から20年を超えているため、予断は許さないものでしょう。

あと、どれだけ間活躍するのかは未だ不明ですが、その時が本格的に来たら、私も静かに見送ろうと思っています。

最後に、500系が撤退してからの東海道新幹線とのぞみについて、大事な事なのでさらっと触れておきましょう。

500系の撤退後、着実にN700系を増やし、300系を置き換えた東海道・山陽新幹線では700系の置き換えとしてN700Aを投入、そして現在に至るまで700系を置き換え、来週には、本年、3月の改正で東海道新幹線N700系タイプに統一されることになります*15

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来週からはN700タイプのみとなる東海道新幹線、そしてのぞみ12本ダイヤも始まる

その間にも、新幹線の重要な安全装置であるATCをデジタル化してギリギリまで最高速を保てるように改良したり、既存のN700系も改良工事を施し、車両の性能を引き上げたり*16、車体傾斜装置などを活用して東海道新幹線の最高速度を285㎞に塗り替えたりした結果、次回ダイヤ改正ではのぞみを毎時最高12本運転できるようになり、東京~新大阪間が基本2時間半で結ばれるようになるなど、長年の改革が実を結ぼうとしています

また、東京~博多間の最速記録も2015年にのぞみ64号*17が記録した4時間47分に塗り替わり、それも2017年に1分更新して、現在は4時間46分となっています。*18

一方で、N700系も初期の編成(今のX1編成など)は製造から13年が経ち、もうまもなく他新幹線たちの寿命に追いつくことになります

現に次世代車両であるN700Sの量産仕様が登場し、次の世代はすぐそこに迫ってきました

時代は移り変わっていくものです。次の世代がはたしてどうなって行くのか、そこも見届けたいものですね。

 

編集後記(?):結局のところ一回も運用上では静岡県に止まらなかった500系、でも、やはり16両編成の彼は、最速達のぞみである姿が一番ふさわしく、一番好きなのでむしろ止まらなくて良かったです(笑)

 

  • 余談その2:そもそもこの記事が出来てからの東海道新幹線(2023年まで)

アクセス数から反映してのちょっとした追記ついでに、2023年現在の東海道新幹線についてさらっと書いていきましょう。

1.記事で触れたようにN700系の廃車が出た。

まぁ想定通りですわね、寿命もありますし。

2.色々あったものののぞみ16本ダイヤが本領を発揮する時が出来るようになった。

地味にうれしい所。私は恩恵少なめですが。

3.JR東海の発車チャイムが変わる。

地味に一番の衝撃。こっちも青春時代の思い出が強いので、また一つ変わっていくんだなぁ…と寂しさがこみあげてきます。まぁこれもまた、時代の流れ…なんでしょうね。

*1:山陽新幹線内でのみ300㎞で東海道新幹線内では最高時速270㎞

*2:似たフォルムにICE-3やICE-T系列などが居ますが、彼らは縦楕円型なので…

*3:例外は400系ぐらい

*4:運行開始時期をベースとしてるためW1編成とW6編成以降は正確には違いますし、そもそもWIN350いるだろって指摘があるかと思いますがご了承ください

*5:余談だがN700系も価格的にはそう変わらないらしい…が、あちらもあちらで500系以上に装置を装備しているうえに、加速も含めてのスペックが高く、車内の仕様は従来の新幹線と統一されていたのでそこまで比較できるものでもない

*6:当初の計画では座席配置は2+2(要はグリーン車配置)となり、車内にゆとりを持たせるようだったが、当時から輸送力増強が課題だった東海道新幹線ではそんな座席数を減らすような余裕は無かった

*7:代わりに他の車両に座席を設置して定員は確保したのだが、座席割り当てが他車両と違い、ばらけてしまっていることに変わりはなかった

*8:もっと言えば姫路から博多までの間だけ

*9:簡単に言えばカーブで車体を傾けることで、遠心力を分散することで速度を落とさずに走っても、車内の居住性を損なわない装置

*10:あくまで個人のイメージです!!

*11:※現在でこそ新幹線の寿命は大体13・4年くらいとはっきりしてますが、当時はまだ0系・100系300系など先輩が居たためなおさら“まだ若い”イメージがあった

*12:現に次の東海道新幹線ダイヤ改正は、使用車両がN700系列に統一されるために、N700系列のスペックでの運行を想定したものになり、総合的に所要時間・本数が向上している

*13:もっともV6編成が故障後、現在に至るまで長期運用離脱しているみたいですが

*14:普段は非公開

*15:3月2日追伸:色々あった影響を踏まえ、一部表記を修正しました

*16:いわゆるN700aタイプ

*17:博多発東京行き最終ののぞみ、唯一最短停車駅(小倉・広島・岡山・新神戸・新大阪・京都・名古屋・新横浜・品川)での運行

*18:一部では速度種別は変わらず500系時代の方が速いと主要する声(特に○クシ○百科事典)もあるが、500系時代より停車駅は増えていることは留意すべき